2013年9月29日日曜日

Myオーディオシステム・リノベーションの記録

この2週間位、写真そっちのけで我が家の古いオーディオシステムのリノべーションにのめりこんでいた。

と言うのは
最近ネットや紙面でしばしば目にするようになったCDの音質を遥かに凌駕するPCオーディオ(ハイレゾ音源)なるものの存在が気になりだして、 CDの硬くてざらざらした如何にもデジタルという感じを頑固に嫌っていた年寄りが、詳しいことは分からぬがどれ位良い音がするのか聴いてみたいなあ・・と少しばかり興味が湧いて来ていたのと、先日たまたま訪れた量販店でPCに保存したハイレゾ音源ファイルを再生するためのDAC(D-Aコンバータ)について質問してみたところ、既にいろいろ店頭で売られており、製品の価格は数万から数百万とピンキリ、安い物はCDレベルの再生用で情報量の多い音源の再生には無理らしいが、ハイレゾ音源を再生するなら最低でも5万以上、近々10万ちょっとのDAC機能が付いたスーパーオーディオCDプレーヤーが出ると言っていたこともあって、 この程度の価格なら、熱烈音響マニアではない素人でも何とか音質の良さを体感出来るかも・・・と、益々興味が湧いてきたのだ。

一方、我が家のオーディイオシステムはと言うと
35年以上前に購入したKENWOODのステレオ・システムでほとんど骨董的遺物。 何年も前からCD+カセットデッキのドライブベルトが切れて動かなくなっていたし、電波の弱い今の田舎家に越してきて以来大きなアンテナを繋がないと上手く受信できないので使ったことが無いF Mチューナーとか、今やCDにとってかわられたLPレコードプレーヤーは今となっては使い勝手が悪いので埃をかぶったままになっていて殆ど冬眠状態、 大きなAMPと十数年前にリプレースしたPIONEERのスピーカーが宝の持ち腐れになっていた。
壊れたり使いもしないものを置いておいても仕方ないので最近CD+カセットデッキとチューナーをオーディオラックから外したのは良いが、ラックにぼっかり空洞が出来て何ともみっともない姿になってしまい、単なる収納にするのでは能が無いし、これは何とかしなければなあ・・・と悩んでいた時、近々新発売のDAC機能付きのSACDプレーヤーを購入してそこを埋め、最新のオーディオシステムにリノベーションしてみてはどうかなあ・・・という考えが浮かんできた。

スーパー・オーディオだのリニアーPCM(ハイレゾ)だの
の話は、学生時代から一貫してオーディオの世界に没頭し、NHK技研やソニーの音響技術者とも親交のある音響仲間とたまに会うのだが、そんな彼が何年か前にオーディオ技術に関する最新情報を話してくれた中に出て来て興味をそそられた記憶がある。でも当時は我々一般人にはあまりに縁遠い話に聞こえたように思うのだが、今ごろ様々な場面で話題になっているというのだがらだいぶ世の中が進歩してきたのは間違いない。

そこでPCオーディオなるものの情報を整理してみると、それは要するにPCに保存されたCD音質を遥かに凌駕するハイレゾ(ハイレゾルーション)音源をDAC(D-Aコンバーター)でアナログに変換し、従来のオーディオAMPやスピーカーに繋いで音を再生するというものなのだ。

CDの場合はサンプリング周波数が44.1kHz、16ビットのPCM信号なのに対し、ハイレゾ音源の場合は名前の通りよりきめ細かい96kHzとか192kHzで24ビット、CDの約3倍から6倍のデータ容量があり、より一層源音に近い迫力ある再生が可能だという。 しかもサンプリング周波数が高いので量子化ノイズも普通のCDより少ないうえ、それが可聴領域を高く外れるのでよりクリアーで自然な音質になるらしい。 これならあの嫌な硬いざらざら感は少なくなるかもしれないなあ・・・との思いが強くなる。

一方、だいぶ普及してきているスーパーオーディオCD(SACD)というのはPCM方式ではなくDSD(ダイレクト・ストリーム・デジタル)方式という周波数が極めて高い2.8224MHz、1ビットパルスの発生密度を変化させる周波数変調の親戚のようなPDM方式だ。 こちらの情報量は普通のCDの4倍位だそうで、原理的にFMラジオのようにノイズが少なくて高音質という特徴があるという。

My オーディオシステムのリノベーション
そんなわけで、早速デオンのホムページを開いて新発売のDAC機能付きSACDプレーヤ、DCD-1500REの仕様がどうなっているのか調べてみたら、

SACDの再生は専用プレーヤーだから問題ないが、ハイレゾ音源の再生には「PCと接続する場合3m以内のUSBケーブルを使用の事」とありハタと困ってしまった。 我が家はPCとオーディオラックが7m近く離れている からだ。

何とかならぬかなあ・・と更に探していたら目に留まったのが「ネットワークプレーヤー」とう装置だ。 PCの音楽ファイルやインターネットラジオ、更にはiPhoneやiPadなどのiTune音楽ファイルが再生できるという装置。この装置、既にいろんな音響メーカーから出ていて驚いたが、世の中知らぬ間に随分進んでいるなあ・・・と浦島太郎のような気分。

そんな中で見つけたのがやはりデオン製のWi-Fiの無線LAN機能のあるDNP-720SEなるもの。

これならPCと距離があっても問題無いのでは・・・と仕様を詳しく調べてみると、このプレーヤをオーディオAMPに繋げばCD音質のファイルはを再生できるが、ハイレゾ音源の再生には本機のデジタル出力をハイレゾ対応のDACで再生しなければならないということが分かった。

ということは、PCから取り込んだデジタル信号を光伝送ケーブルでSACDプレーヤーのDACに接続すればハイレゾ音源の再生が可能なのだ。

これは有り難い! 無線LANを使ってPCの音楽ファイルを「ネットワークプレーヤ」に送り、光伝送ケーブルで繋いだ「SACDプレーヤ」を経由してオーディオAMPで再生する・・・という構図が見えてきたのだが・・・。

善は急げ!・・とばかり思い切ってこの二つの装置を購入し
ラックに収めると、部屋が実にすっきりとした感じになって気分は上々。

早速取説を読みながらセッティングも終わり、先ずはスーパーオーディオプレーヤーで普通のCDを聴いてみると、普通のCDなのに何だかこれまでより音がすっきりしていて心地良く感じる。 これは本機のデジタル信号処理ソフトが16ビット信号を32ビット信号に拡張している効果によるのか、硬さが取れてざらざら感が少なくなったのかもしれない。

次ぎにネットワークプレーヤのインターネットラジオの受信を試してみると、当機のWi-Fi機能が我が家のルーター経由でインターネットに繋げて見事に成功! これならラジオの電波強度を気にしなくても高音質で楽しめるからありがたい。

次は本命のPCとの接続だ。 
PCは本機の「Music Server」という位置づけになっていてWi-FiでPCのファイルを検出できれば良いのだが、どういう訳か「Music Server」が「Empty」という表示しか出てこないのだ。
いろいろ調べている内にどうやら本機のWi-FiがPCのLANネットワークとは別のネットワークグループに設定されてしまったせいだと分かり解決。 全てホームネットワークに統合するとPCのミュージックフォルダーの音楽ファイルが表示されて再生可能になりほっとする!

そうなると今度は実際にスーパーオーディオCDやハイレゾ音源を聴いてみたくなる
スーパーオーディオCDはCD専門店で購入可能なのでとりあえずお試し版を購入してDCD-1500REのデッキで聴いてみると、なるほどこれまでのCDの音とは比べ物にならない位の迫力と透明感、これはなんとも心地良い!

次はハイレゾ音源。 これに関してネットで調べてみると、ハイレゾ音源のダウンロード専門店があることが分かったので192kHZ,24ビットのハイレゾ音楽の無料体験版をすぐさまダウンロード。 早速PCのミュージックホルダーに収納し、ネットワークプレーヤ(DNP-720SE)を「Music Server」モードにすると、すぐさまこのファイルが見つかってわくわくしながら「Play」ボタンを押す。
すると、なんと音が出たと思ったらすぐ止まり、又出たと思ったらすぐ止まる・・・の繰り返し状態!
がっかりしながらも色々原因を調べてみたら、どうやらファイル容量が大きすぎて無線LANの伝送速度が追い付かないらしいのだ。
これは参ったなあ・・と思ったが気を取り直して取説を見るとLANケーブルでも接続できる仕様になっていることが分かり、仕方なく長いLANケーブルを購入してPCと繋いでみたところ、今度は問題なく再生出来てめでたしめでたし。 
でも無線LANで繋げられることに魅力を感じてこの機種を選んだのに当てが外れてしまい残念至極、想定外の容量オーバーでは仕方ないとあきらめた。

スーパーオーディオ―CDとハイレゾ音源の再生音質はというと、どちらも迫力満点、クリアーで心地良い音が出て来て素人の年寄の耳で甲乙つけるのは無理な話だ。

それはともかく、
聴きもしないのに部屋の大きなスペースを占拠している古いオーディオシステムを、一旦は粗大ごみに出してしまおうか・・と思ったこともあったのだが、大出力のAMPやスピーカーを捨てるに忍びないので思いどどまっていた。
でも、チューナーをネットワークプレーヤーに、カセット+CDプレーヤーをDAC機能付きスーパーオーディオCDプレーヤーに置き換えることで、今の時代にマッチしたオーディオシステムに換えることが出来たのだから祝着至極。
これで若い頃FMラジオを聞きながらテープに録音した思い出の音楽を入れなおしたCDも今まで以上の音で聴けるようになったし、インターネットラジオも高音質で楽しめるようになり、年寄の楽しみの一つとして再びオーディオ生活が復活しそうだ。
もっともオーディオ好きと言っても音楽の造詣が深いわけでは全く無くどっちかと言うと再生音の音質や忠実度を楽しむ方のオーディオ好き、だから昔懐かしいSPレコードプレーヤーやLPレコードプレーヤーも繋いであるので、シャーシャー、プチプチという“源音”が聴きたくなることもあり得るかも・・である。