この辺りの里山を歩いていて思い出すのは、兵庫県加東郡の山郷に住んでいた六十五六年前の秋の思い出。
近くの山で転がりまわって遊んだりキノコ狩りをしていてうっかりマツタケ山に入り込んで番人に追いかけられ、遂に腕を掴まれた時の怖かったこと。
そんな時山で良く見かけたのがセンブリの花だ。 当時胃腸薬として干したこの草を煎じて飲むのだと聞かされたことを覚えている。
そのセンブリが近くの里山で咲く季節になってきた。 先日見に行った時は未だ小さな蕾だったが、もう咲いているだろう・・・と散歩がてら見に行った。
北総台地の国道261号線から見下ろす鉄塔の多い我が町。 この街並の辺りは「40年くらい前まで鬱蒼とした森だった」と土地の古老が言っていた。
道沿いに町の運動公園に向かうと、道端の畑に植わった普段あまり目もくれないこの「千日小坊」が意外に綺麗で思わず見とれてしまった。
運動公園入口近くの小さな畑に北総の晩秋の風物、「ピーナッツボッチ」が並んでいた。
人気のない公園に入ると、色付き始めたイチョウとケヤキが秋の深まりを感じさせる。
早速センブリが咲いている谷間に降りて行くと・・・
予想通りセンブリが咲きだしている!
今年はいつもより数が多いみたいだ!
リンドウ科の地味な花だが子供のころからお馴染みの可愛い花なので懐かしい!
しばし懐かしさに浸った後、草深い小路を下って谷津田に降りた。
谷津の山の斜面はヤクシソウの花盛り! 花に止まっているのはシマハナアブだ。
斜面は秋の草花が終わってススキだけが光っている!
そんな中にかろうじてワレモコウの花が残っていた!
高崎川流域の広い田圃に出る!
畔に咲くアキノノゲシの淡い黄色と、野菊(カントウヨメナだろうか?)の薄紫が心地よい!
春の花の代表みたいなホトケノザを見つけた! 早々と咲いているように思うのだが、雑草は種を守る為に年中花を咲かせて頑張ってるのだと植物の先生が言ったことを思い出す。
広い田圃から又坂を登って北総台地へ戻り帰路に就く。
坂の途中のお堂、尾上延命寺だ。 真言宗のお寺の末寺だったらしいが江戸後期に既に廃寺になっていたという。
台地の上のジネンジョ畑! 町の特産品だ。
田舎の風景。 如何にも田舎の風景で懐かしい感じがしてシャッターを押す。
今日は最後にこの枝ぶりの良い柿の樹のオブジェにしばし見とれた6.3kmの散歩だった。
(カメラ:EOS 5D MarkⅡ)
(レンズ:EF28-300mm F3.5-5.6L IS USM)