2007年8月6日月曜日

山の家の夏


8月4日  山の家へ

8月に入ると栃木の山の家に行くのが我が家の恒例行事。 昔は会社の夏休みに子供を連れて虫取りをするのが目的だったが、今では家の裏手に茂る茗荷を奥方と二人で収穫するだけになってしまった。

日本海を通過する台風の影響で湿度が猛烈に高くなって不快この上ないこの日は、山荘に着くまでエアコンを唸らせっぱなし。 山はさすがに気温は30度に達してないが猛烈な湿度は変わりなく、午後4時というのにちょっと動くと汗が噴出すありさまだった。
雲が広がり薄暗くなると、周囲の木々では賑やかなヒグラシの大合唱が始まる。





家の裏手の茗荷の様子を見てみると、今年もだいぶ勢力範囲を広げている。 この分だと去年より収穫が多いかなあ・・・と試しに探してみたが、意外になかなか見つからない。 そのうち未だ小さい茗荷を数個見つけたが、どうやら今年の6-7月の天候が良くなかったことで生育が遅れているようだ。

ふと、家の陰に見慣れぬ花を見つけた。 もう暗いのでよく見えないが何だろう?
葉は蘭の種類に似ているが、花の形は蘭では無さそう。 後で調べたらユリ科シュロソウ属の「アオヤギソウ」のようである。 30年以上も通っているのに初対面の花に出会うとはビックりするやら嬉しいやら。


8月5日   栗山地区の花探訪 

昨晩は夕立と雷で賑やかだったが、朝は穏やかな良い天気、夜明け前のヒグラシの合唱で目が覚める。 
涼しいうちに・・と早速茗荷の収穫作業を始め、7時半近くまで茗荷の根元を探しまわるが思ったように採れなかった。 日が昇るに連れて暑くなってきた。
  朝食の後、毎年この時期に出かける栗山地区の花を探しに行くことにする。

昨日の靄の掛かったような猛烈な湿気は幾分治まって、山々が見えるようになった渓流沿ひの道を行くと、 最初に出会ったのはこの「ボタンヅル」の花だった。
湯西川に抜ける林道を登って行くと、今度はあの懐かしい「シデシャジン」に出会った。
この道筋にはこの花が多いので出会うたびにシャッターを押すのだが、風に揺れる華奢なこの紫色の花を撮るのは難しい。
次は「フシグロセンノウ」だ! 
この花に始めて出遭ったのが50年以上前の高尾山、あの当時の青春時代が思い出されて懐かしい。
クサボタン」も咲いている! 
この花は何年か前にここで始めて出会ったのだが、しばらく見ていないので花の名を忘れかけていた。




「ソバナ」の花を見に行こうか・・と更に登って、沢筋の林の中を探す。 いつもこの林の中に群生するのを見るのが楽しみなのだが、今年は花の姿が見当たらない。 目を凝らしてみると、まだ小さな蕾があるのみ。

仕方なく沢を下って山径に出た時、傍らの崖に陽光を受けた「ソバナ」が微笑んでいた!






8月6日  上三依水生植物園 

昨日も激しい夕立、木の葉や杉の実が雨樋を詰まらせて辺りかまわず溢れた水が激しく落ちていたので、今朝は屋根に梯子を掛けて雨樋の掃除をする。 
来るたびに掃除をしているのだが直ぐに詰まってしまう。 こういう場所は雨樋を付けること事態間違っているのかも・・・。
掃除が終わったので今日は福島県境に近い上三依の水生植物園に行くことにした。

ここまで来ると園内の木立はさすがに涼しい。 
「レンゲショウマ」が見たいなあ・・とその場所に行ってみると未だ蕾、 好きな「シキンカラマツ」なら咲いてるはず・・と探してみるとこちらはちゃんと咲いていた。

園内を巡る小径を歩いているとかなり大きな「オトギリソウ」のような花が目に入った。肥料も十分、手入れの行き届いた植物園で見る花は自然の中で出会うものより立派に育っているので驚くが、それにしてもオトギリソウにしては大きすぎる。

花びらをよく見るとプロペラのようにねじれているいることに気がついた。 これは昔土呂部の湿原で出会ったことがある「トモエソウ」だ!



水辺の小径に入る。 ミソハギが今最盛期だが、「サワギキョウ」に会いたい。 だが最初に出会ったのは未だ咲いていなかった。

今年は遅いなあ・・・と諦めかけていたら日当りの良い水辺でこの花が咲いていた。 なーんだ、咲いてるじゃん!と嬉しくなってシャッターを押す。








ここの水は透明でほんとに綺麗だ。 以前50cmはあろうかと思われる虹鱒の姿を見たことがあるので探したがもういないようだ。

水草の中に「コウホネ」の姿がある。 こんなに近くで見るのは初めてだ!
赤や白の睡蓮も綺麗に咲いている。 つい撮りたくなって撮っていると今度は薄いピンクを帯びた睡蓮に出会った。 こんな色の睡蓮に出会ったのは初めてかもしれない。