我が町は、北印旛沼と西印旛沼に挟まれた広大な干拓田の東側の台地にあり、大小様々な谷津が入り組んでいる。 そして谷津の入り組む台地の縁の斜面には杉や竹、雑木等が茂った里山になっている。 台地の上はというと、駅周辺の住宅街を除いてほとんど麦や野菜やピーナッツの畑が広がるのどかな田舎なのである。
気温が一気に上昇し車の窓から風を入れると心地良くなったこの日、里山のカタクリの開花状況が気になっていってみることにした。
谷津田の奥に来て山の斜面を眺めてみたがカタクリの葉の緑が前より増えてはいるけれど花の色は確認出来ない。
近くに行って見ると蕾はそこここに沢山出ているのだが咲いているのは見当たらない。
里山の縁に沿って斜面に目を凝らしながら歩いてみた。 15cm位に育ったキツネノカミソリの瑞々しい若葉があちこちに出ている。 小さなモミジのような形をしたトリカブトの若葉も出ている。
足元にもカタクリの蕾が出ている。 それを除けながら歩いていると先のほうにピンクの花が咲いてるのが目に入った。
カタクリが咲いていたのだ。 やっと見つけた今年最初の一輪だった。
木々に囲まれた山の斜面の農家の脇の竹林を抜けて台地の上に出た。 そこは明るい広々とした畑になっている。 畑の脇は春の草花が咲き誇っている。 未だオオイヌノフグリやホトケノザの天下である。
好きなホトケノザを見るとつい写真を撮りたくなるので撮ってみた。
この広大な畑の外れにコブシの大木があることを思い出した。 我が町では一番最初に咲き始めるこのコブシ、きっともう咲き始めたかもしれない・・と期待が膨らむ。
彼方に望んだこのコブシ、確かに白く染まっていることが分かった。
早速近くまで行ってみた。 大きすぎて近くでは写真が撮れないので、50mくらい離れて撮ったのがこの写真。 この樹は雑木林を切り開いて作られた夏期だけの仮設駐車場の中に立っていて、何時までここに居られるのか気がかりなコブシなのである。