2005年5月17日火曜日

無くなった野草!

北総の地図を眺めると、西印旛沼に流れ込む幾すじもの中小河川が北総台地を刻んでいる。 
これ等の流れを遡ってみると、なんと湾岸の習志野、千葉、四街道、八街等、大都市周辺の丘陵地まで達していることに気付く。 これだけ人口が密集する広大な地域が源になっているのだから、沼の水質汚染を浄化するのは並大抵のことでないことも分かってくるというものだ。

そんな印旛沼水系の南東方向の源流を訪れた。 そこは写真のようにとても千葉市郊外とは思えないのどかな谷津田である。




去年初めてここを訪れたのは、ここに絶滅が危惧されているカザグルマが自生していることを知ったからだった。
里山の籔の中にこの時期大輪の白い花を咲かせているはず・・・と目を凝らして探してみたが見つからない。

白い草花といえばハルジオンくらいのもの、田圃の畦にケキツネノボタンも咲いていた。





一体どうなっているんだろう・・と用水路を渡って里山の縁に行ってみた。 うっそうとした藪の中に咲いてるはづだが・・蕾も全く見えない。 そういえば籔が以前より空いてるなあ・・と掻き分けてみたら驚いた。 籔のあちこちに掘り返した土の跡があるではないか!
悔しいやら情けないやら・・・悄然と家路に着いたのであった。

家に帰って庭を眺めていた。 花の終わった庭のアカヤシオの若葉に陽が射している。
この栃木の山の植木屋さんで買った樹も、元は山に生えていたものかもしれない・・と、ふと思って考え込んでしまった。

人は花を愛する動物である。 そこにビジネスチャンスがあるのは当然なのだ。 これまで訪れたカナダ、オーストラリア、アフリカ、チベット等、どの国も、豊かな自然を驚くほど大切に守りながらも野生の花を輸出している。 輸入国は日本がトップ、日本で見れぬものはない。
如何に自然を損なわずに人々を楽しませるかが大切なのだと思ふのだが・・・。