台風7号が何事も無く房総沖を通過したこの日、毎年恒例の草刈に栃木の山荘に出かけた。
今年は長梅雨だったせいか、山荘の周りの草は身の丈ほどに茂っていた。 涼しい朝のうちに草刈を終へ、いつものように山の花を求めて栗山郷へ出かけてみた。
快晴の山里はちょうどウドの花が咲いているところだった。
栗山郷から湯西川に抜ける山径をゆくと、斜面の林の中には今年の天候不順で会えるかどうか心配していたフシグロセンノウの赤橙色の花が一際鮮やかに咲いていて嬉しかった。
道端のあちこちにツリフネソウも咲いている。 平地では9月に咲くというのに、山は秋が早いのだろう。 ふと見ると、中にこのキツリフネも咲いていた。
毎年会うのが楽しみなシデシャジンは・・・と探していると、草むらの奥に咲いているのをやっと見つけることが出来た。 三十数年前に始めてこの花に出会って以来毎年会うのを楽しみにしているだけに出会うと嬉しさがこみ上げる。
例年は探し回るまでも無く直ぐ見つかるこの花、今年はかなり少ないようだ。
毎年訪れる沢筋の落ち葉に埋もれた斜面の森に分け入る。 この薄暗い森の中はソバナの群生地。 写真を撮るには暗すぎるのだが、いつも樹の幹に体を固定して撮っている。
この日も急な巣面にひっそりと咲くこの花を大きな樹の幹に寄りかかって撮ってみた。 ぶんぶんと寄り集まるアブの群れさえ居なければ、静かな森の中の空気はひんやりとして心地よい。