2011年5月14日土曜日

いい歳にしてネットオークション開眼 ?!

今年の2月、すでに40歳を過ぎた長男がようやく結婚して引っ越していった。引越しと言ってもタンスや家電製品があるわけでもなく、使っていたベッドと本や衣類を引越し屋さんに運んで貰っただけ。 
二階の部屋には埃をかぶって山のようになった子供の頃からの衣類やおもちゃ、釣道具のガラクタや大量の競馬雑誌、それに使えそうもない大きくて重たいステレオコンポが残っていた。

出てゆく息子に「全部捨てもいいな!」と言い放ったものの、年寄にはこの処分が結構大変な仕事。 もたもたしているうちに3月11日の例の東日本大地震が発生し、毎日報道される被災地の惨状や強い余震に怯える日々が続いていたが、幸い我が家の被害は極めて軽微だったので困っている所に何かしなければ・・と義援金募集に応募したりして気を慰めていた。

大地震から1週間くらい経った頃から大きな余震の頻度が減って気持ちも幾分落ち着いてきたので再びガラクタの整理を開始。 息子の残した物と一緒に、長年使わずに放り込んだ物で足の踏み場も無くなっていた納戸を片付けて自分の書斎にでもしたいなあ・・と整理をし始めると、昔懐かしい品物が次々と出てきてその度に手が止まり先に進まない。 

何十年も前のオールウエーブ・トランジスタラジオがある! 英文タイプライターも出てきた! 随分昔に買った天体望遠鏡もある! 古いカメラも数台出てきた! 通勤に使っていたビジネスバッグもある! 山登りのピッケルやアイゼンは二十歳代の物だ!…等々

二度と使うことが無い懐かしい物も意外に綺麗な状態で残っているのを見ると捨てる勇気が出てこないのだ。 去年、置き場所に困って使わなくなった家具や電気製品を無惨にも町のゴミ処分場に持ち込んで集積場に投棄した時、「使おうと思えば未だ使えるのに・・・」とむなしい気分に落ち込んだことを思い出してしまう。

そんな時、今の若い人たちが互いの不用品を交換し合っているネットオークションというのを活用出来ないかなあ?・・とふと思い浮かんだのだ。 がしかし、自分が使わないような古いガラクタを買って使ってくれるような物好きがいるかなあ?・・と疑問に思いながらも念のために楽天のオークションのページを開いてみた。
すると結構いろいろなものが出品されている。 何でこんなものが!と思うような意外な物まで取引されている事実を目の当たりにすると、もしかすると我が家のガラクタも売れるかも・・・と思えるようになってきた。

世の中には古いものが好きな収集家がいたり、アレンジしてインテリアとして飾ったり、器用に再利用している様々な趣味の人たちがおられるのだ。中には売買目的で大量に取引している中古品専門業者?!・・とおぼしき実益重視の落札者も・・・。

それにしてもオークションに出すにはどうすれば良いのか分からない。そこで宣伝をするわけではないが楽天オークションの解説ページを開いて見ると、出品するのは無料と書いてある! 売れた場合だけ数パーセントの手数料を支払うことになっていて、逆に買う方は商品の落札価格に送料を加えた金額を指定口座に振り込めば良いらしい。
当然定められたルールやマナーを守らねばならないが、それでも売り買いにはトラブルが付き物なので心配なもの。だが通常の宅配便で送れる大きさの品物ならば、売り手も買い手も匿名での取引が出来る仕組みが出来ているから安心と言えば安心のようだ。
商品や金銭のやり取りも、主催者の楽天オークションがあらかじめ登録されている口座へ落札者から入金があったことを確認すると、出品者へ商品の発送を指示してくれるし、商品の受領確認が取れると代金を出品者の口座に振り込んでくれる等、各段階ごとに指示や処理をしてくれる仕組みになっていて、個人同士が直接やり取りしなくて済むだけでなく、未払いだの物が届かないといったトラブルの心配もしなくて済むようだ。

大震災の後のキャンペーンとして、エントリーすれば売り上げの一部が義援金になるというのもあったので早速エントリー・・・って具合で、いい歳にして初めてネットオークションを始めてみた。

リサイクルショップに持って行ってもタダ同然でがっくりしたりへたをすると受け取り拒否にあってむかついたり、ごみ処理場に持って行けば処理費用を取られた上、むなしい気分で落ち込みながら投棄することを考えれば、ネットオークションは買った人に喜んでもらえ、売上金の一部が被災地の役に立つのだから願ってもないことだと思ったのだ。 たった1円でも売れないようなものは全く役に立たない物と認定を受けたようなもの、だから心置きなくゴミに出来るというものだ。

こんな物を気に入ってくれる人がいるだろうか・・・と思いながら初めて出品した物に入札が入った時は感動したが、一方、未だ経験は無いがネット上で品物の良し悪しを判断して落札するのは結構リスクがあって勇気が要ることだろうなあ・・と容易に想像がつく。 だがその人にとって思いもかけぬ宝物だったりすることもあるだろうから、オークションは面白くてやめられなくなる人もいるに違いない。

省資源・省エネルギーの観点からもこれは結構世の役に立つようだから、上手く使えばオークションは捨てたものでもなさそう・・・と思うこのごろである。