今日も相変わらずのどんよりした梅雨の空。 それでも雨は降りそうで降らなかった。
そんな午前中、本佐倉城跡の野草を調査している近所の奥さんが珍しい花を見つけたので案内してくれると言う。 早速奥方ともどもお言葉に甘えて付いてゆくことにした。
本佐倉城址に着いて行ったところは薄暗い林の中。 案内してくれた方が「確かこの辺り・・」と立ち止まった所で出会ったのはこのイチヤクソウの花の跡だった。 こんな里山にこの花があるとは思っていなかったので感激する。
同じ場所でこのウメガサソウの花の跡にも初対面。 この野草はイチヤクソウ科ウメガサソウ属だと後で分かったが、こんなものがあるとは全く知らなかった!
確かに、梅雨時の蒸し暑い時期に薄暗い森に出かけることは全く無いので、これまで出会わなかったのも当たり前だ!
更に奥に進む。 ランの花が咲いているかもしれないのだという。
これまで以上に樹木の生い茂った薄暗い空堀跡を行くと、確かにランのような植物に出会った。 見ると30cmくらいの茎に小さな緑の蕾のようなものが並んでいた。 未だ花は咲いていないようだ。
案内してくれた方は「クモキリソウでは・・」と言っていたが、 後で調べてみるとどうも「トンボソウ」というラン科トンボソウ属の野草に似ているような気がした。 7月過ぎると花は開花するというので又その頃確認してみたい。
その近くに、春先に来た時にもしやと思う葉を確認した「コクラン」が咲いていた。 やっぱりコクランだったのだ!
ラン科クモキリソウ属のこの花、色が黒いので「黒蘭」と言う名が付いたのだというが、この花も今回が初対面となって感激だ。
空堀を抜けて馬出し跡に出る。 鉛色の空と言っても、暗い樹陰から印旛沼干拓田の広がる外に出るとほっとするくらい明るく感じる。
そぐ近くに「ムラサキニガナ」が生えているという。 この名は聞いたことが無いし想像も付かないのでどんな花かと期待が高まった。
早速その場所に行ってみると、背丈は1m近くもあり、花は確かに紫色だがいわゆる「ニガナ」からは想像も付かない花だ! 後で調べたらキク科アキノノゲシ属だというが、こんなのもあるとは・・・とほんとにびっくりした。
珍しい草花に出会って撮った写真が上手く写っているかどうかを気にしながら、城跡の周りを囲む土塁の外のなだらかな草原を歩いていると、そこに1本の合歓の木が立っていた。
見ると点々とピンクの花が咲いているではないか!
先日蕾を確認していたが、もう咲き出していたとはびっくり。 しっとりと優しいこの花を見ると、いつも芭蕉が象潟で詠んだ句を思い出す。
今日はファインダーも曇ってしまうくらい蒸し暑かったが、一気に珍しい花ばかりに出会えて大収穫だった!