今年はいつになく暖かくて穏やかな元旦だったが、 息子夫婦が生まれて7ヶ月目になった孫を連れて泊まりに来たり、弟夫婦が甥っ子とその許婚を連れて年始に来たりで、我が家は珍しく賑やかな正月だった。
今日はいつもの静かな我が家に戻ってほっとしていたのだが、ふと恒例の初詣に行かねば・・と思い出し隣町の成田山に出かけることにした。
昔ながらの参道の土産屋を覗きながら歩くのは幾つになっても物珍しくて懐かしい。
駅前から続く参道を昔ながらの狭い坂道まで来るとさすがに人で溢れだした。 両側の店の売り声も活気を帯びて賑やかになり、 鰻を焼く煙も人々を吸い寄せる。
人に押されるように成田山に引き込まれ、階段を登って本殿へ向う。 大きな提灯が下がる山門をくぐると本殿前の最後の階段だ。
最後の階段を登ると直ぐにお香の煙りが立ち込める本堂前広場。 いつものように煙を頭や胸にこすり付ける人達で賑わっている。
護摩焚きの時間が近いのか、お坊さんの行列が本堂に向っていった。 赤い大きな傘を掲げられているお年寄りのお坊さんは成田山の大僧正だろうか、周囲で手を合わせる参詣客の姿があった。
本殿に登り、護摩焚きに多くの願い事を込めながら手を合わせた。 お賽銭が足りないと言われそうなほど沢山の願を込めて・・・。
護摩札が出来上がるまで本堂の裏手の成田山公園を散策することにする。
ここで毎年先ず眺めるのが公園入り口の階段の上の梅の老木。 この梅、遠目には花が咲いている気配はなく、今年は未だなのかなあ・・と思った時、奥方が「咲いてる!」と指差す方を見ると確かに一輪咲いていた。 今年は暖かいからもっと咲いてるかと思ったのだがどうやらこの一輪だけのようだ。
例年だと紅梅が先に咲き出すのだが・・と紅梅の樹を眺めてみると、意外にもこちらも未だ一輪しか見つけることが出来なかった。
それにしてもこの冬の陽気はいつもと様子が違うのか、花の咲き方も普通じゃないみたい。
この時期、この公園に植えられて数年になるロウバイを見るのが一番の楽しみ、公園の奥の谷間を下って池の縁の斜面の日溜りに行ってみた。 何本か植えられた樹はどれも大きく脹らんだ蕾をいっぱい付けている。 その中に、既に花を咲かせている樹もあった。 この花を見ると春を感じて嬉しくなる。