2005年11月18日金曜日

小さな公園の秋

今日も寒かったが、朝から雲ひとつ無い秋晴れ。 
以前は家の窓からも眺められた公園の木々の紅葉がこの秋空に映えて綺麗に見えるに違いないと、いつも部屋に閉じこもってばかりの母親に「前の公園の樹の紅葉が綺麗と思うからちょっと歩いてこない?」と言うと、「じゃー行ってみようかなあ・・」との返事。

杖をついてゆっくり歩む母親に付き添って公園に行ってみると、紅葉が築山の向こうで青空に映えていた。
樹の下に行って見上げる紅葉に「これは何の樹?」という母親に、「これはトウカエデだと思ふよ」と落ち葉を拾って応えると、この樹を思い出したのか嬉しそうに笑った。
ほんの数年前まではこの公園は母親の犬の散歩コースだったのに、犬が亡くなってからは歩く気力も失せたのか、ここを訪れることはほとんど無くなっているのだから無理も無い。

すぐ近くに黄色に輝く樹も立っていた。 「これも綺麗ねー、これは何?」と聞かれたが、「これは何だろう?知らないなあ・・」と応える。 数センチの小さな葉が綺麗な黄色に染まっているのだが分からないので後で調べてみようかと思たのだった。 で、調べてみたらどうやらニレの樹らしいことが分かった。 ニレにはハルニレとアキニレがあるようで、葉が小さかったから多分アキニレかもしれない。

小さな公園を巡るのにゆっくり歩いても10分と掛からない。 それでも久しぶりに歩いて疲れたらしい。
帰ろうというので戻りかけたとき頭上に赤い木の実を見つけた。 「ハナミズキの実が生ってるよ」と教えると、嬉しそうに「綺麗ねえー」と見上げていた。

公園の出口に差し掛かったとき、「あれは山茶花の花?」と母親が指差した。 植えてある椿が花を付けているのだった。 
あれは椿の花みたいだよ」と言うと「それじゃ寒椿だね」と言っていた。

確かに今は山茶花があちこちで咲き始めているが、椿を見るのはこれが最初のような気がする。