今日も相変わらずどんよりとした梅雨空だった。 それでも昨日よりは幾分雲が薄くて雨の心配は無さそうなので近くの田園の様子を見に行ってみた。
緑の絨毯を敷き詰めたような谷津田が梅雨空の湿った空気に包まれて煙っている。
田圃の畦に一際鮮やかにヤブカンゾウの花が咲いていた。 この時期の珍しくも無いこの花がどういうわけか好きである。 暗い梅雨時に元気付けてくれるような明るい花の色だから・・かもしれない。
この花、図鑑にはユリ科、ワスレグサ属と出ているが、ワスレグサとは何だろうと調べてみた。 そしたらなんと「忘れ草」はヤブカンゾウの別称で万葉集にも出てくる古い言葉、俳句では夏の季語として使われるとのことだった。 へー! と驚くことが結構あるもんだ。
畦道をたどって谷津田の奥に入る。 ここの片側の斜面は山野草が多いので秋には毎年訪れるのだが、こんな梅雨時は初めて。 何があるのか期待して斜面の草むらに目を凝らすと、蕾を膨らませたヤマユリの姿が見える。 ノアザミも綺麗な花を咲かせている。
中でもトウダイグサ科、トウダイグサ属のこのタカトウダイの数が群を抜いていた。
「トウダイ」というのはこの草の葉が灯明を灯す皿の形に似ているからだと何かで読んで「なるほど!」と感嘆した記憶がある。
斜面の上のほうにショウマのような花穂が見えた。 ちょっとピンクが入った白い花はチダケサシだ! この花がこの時期だったことをすっかり忘れていたので嬉しくなる。
これはショウマの一種だったかなあ・・と調べてみたら、なんとこれはユキノシタ科のチダケサシ属だと書いてあったのでびっくり。 ショウマはたいていキンポウゲ科なのに・・・。 ほんとに植物の分類は素人には難しい!
ふと前方にピンクの花が群れて咲いてるのが目に入った。 それはなんと大好きなコマツナギではないか!
このマメ科・コマツナギ属の花を見るのを毎年楽しみにしていて、例年は梅雨が明けて暑い盛りに出会っていた。 こんなに早く出会ったのは初めてだ!
もっともこんな時期に里山歩きはしないから今頃から咲いていることを知らなかっただけかも知れないが・・・。