27日
久しぶりに天気が回復するとの予報を聞いて、この日鬼怒川の山荘へ出かけることにした。 毎年この時期は、老朽化した山荘の点検修理が欠かせないのと、山に咲くヤシオツツジに会うのが恒例行事になっているからだ。 走っている車内が暑くなるほどの良い天気、今年最初のクーラーを入れる。 新緑に萌える筑波山を眺め、田植えが始まった広大な田圃の中を走り抜けて、午後2時頃に塩谷町に到着。
快晴の空に未だ雪が残る日光連山がくっきりと見えていた。
その右隣にはこれから向う広大な裾野を引いた高原山が聳えている。 鶏頂山、釈迦ケ岳、前黒山からなる1800mクラスの山々で構成する高原山が手に取るように見える。
28日
昨日山荘に到着して部屋に入ると、仕掛けておいた「ネズミホイホイ」にカヤネズミが6匹も掛かっていた。 この鼠、体長5cmくらいしかないのでちょっとの隙間から入り込む。 何処から入ったのか部屋の中を調べたら、長押の中の壁に隙間があることが分かり、今日は隙間を埋める材木を買いに行った。
昨日の快晴が嘘のように曇ってうすら寒い。
材木を買って帰る途中鬼怒川公園に寄り道してみると、未だ桜の花が綺麗に咲いている! 今年は例年に無く春が遅れているようだ。
桜を眺めて戻りかけたとき空が明るくなってきた。 昨日と違って寒いくらいの陽気だが歩くにはちょうど良さそうと、ついでに龍王峡を歩いてくることにした。
新緑の龍王峡の周囲の山肌には山桜のピンクも見える。
萌え出たばかりの黄緑の林の中を谷に下り、虹見橋の上に立つ。 何とも言えず清々しい空気に満ちている。
この時期としては珍しく、峡谷沿いの林の中には未だヤシオツツジの花が残っているのもある。
ヤマツツジすら未だ蕾が多い中、やっと咲き始めたこの花にに対面。
心地よい新緑に浸りながら歩いていたら、4月始めに来ないと会えないなあ・・と諦めていたショウジョウバカマに出会ったのだ! これにはさすがに驚いた。
29日 月山
この日は又朝から快晴の上天気となった。 昨日のうちに鼠対策を終えたので、今日は待望のヤシオツツジに会いに行くことにする。 お目当ては事前に調べておいた「月山」。 栗山地区の日陰牧場の奥に鎮座する1,200m近くの山、何でもヤシオツツジの古木が茂ることで有名なんだそうだ。
素晴らしい天気のドライブは快適そのもの。 栗山地区に向って山道を行き、トンネルを抜けると八汐湖に出る。
ここの眺めが好きで来るたびに車を停めているのだが、日光連山がくっきり見える今日の眺めは又格別だった。
栗山地区の手前左手で、日陰牧場へ向う山道に入った。 車がやっとすれ違える程度のくねくねした山道を行くと、やがて日陰牧場。 更に進んで長いトンネルを抜けたところで栗山湖のロックフィルダムの下に出た。 そこは月山の登山口になっており、大勢のハイカーが山登りの身支度に余念が無い。
地図も何も持ってこなかったので、奥方と二人でハイカーの後について行く。
広い道をしばらく登ったところで、遠くにヤシオツツジの咲く姿が見えて嬉しくなる。
いよいよロープを張った急な細い山道の取り付きに到着。 先行のハイカーが登ってゆく方向を見上げるともうこの辺りの木々はどれもヤシオツツジ。 だが赤い蕾が点々と見えるのみで未だ花は殆ど咲いていないようだ。
これでは登ってもつまらないなあ・・・と思いながらも、ともかくロープを伝って上に登ってみることにした。
まづヤシオツツジの樹が大きいのに感嘆。 こんな老木が群生してるとは想像していなかった。 それにしても未だ蕾とは・・・。
「最盛期は山一面がピンクに染まるんです。 花の時期はほんとに難しいですよね~・・」と毎年ここを訪れるというハイカー夫婦が声を掛けてゆく。 2時間くらいで登ってこれそうだが・・としばらく山を見上げていたが、花が咲いてなくてはつまらない・・と駐車場に戻ることにした。
ダムの下の公園で一休みして帰ることにした。
ふと見るとこの公園に1mもない小さなヤシオツツジが花を付けているのが目に入った。 日光連山をバックに咲くこの花が綺麗だった。