4月24日
厳しい冬だった栃木の山のあばら家が気になって、この日様子を見に出掛けることにした。
鬼怒川温泉の周辺は梅や桜の花が終わりかけ、 辺りの山には萌えだした新緑と山桜のピンクの色が何ともいえず心地よい。
温泉街を抜け、新藤原駅前を通過して龍王峡近くの山径に入り、やがてあばら家に到着。
杉木立の中にひっそりと建っているあばら家は一見何も問題なさそうに見え、辺りを覗いてみるといろいろ春の花が咲いている。
探してみると常連のエイザンスミレも咲いていて嬉しくなる。
いつものようにクサボケも咲いていた。 この花の色は何時見ても気分が明るくなっていい。
スミレも咲いている。 これは葉が長い種類のようだからきっと本来のスミレに違いない。
キジムシロも咲いていた。 ここのキジムシロはわが家周辺の里山のより花が小さいような気がする。
あばら家に入る前に水道の元栓を開けたところ、壁から水が噴出してきてびっくり仰天。 あわてて元栓を締めて家の中に入ったら、台所でも水が噴出していて床が水浸し。 暮れに水抜き作業はしたはずなのに・・・。
ともかく水が無くてはどうしょうもない。 早速水道工事屋に電話したり、コンビニに出掛けてミネラルウォーターを仕入れてきたりと忙しい山の一日が暮れていった。
4月25日
昨晩は水が無いのでコンビニ弁当のディナーだった。
水道工事屋は明日の午前中に来るというので毎年この時期になると眺めるのが楽しみな険しい山の中腹に咲くヤシオツツジを見に行くことにした。
鬼怒川を遡って栗山村に入ると、この辺りは未だ桜の花が一分咲きだった。
山の頂近くや崖の周辺に見える。 この雰囲気がたまらなく好きなので、何時まで見ていても飽きることは無い。
山のヤシオツツジを探しながら山径をドライブ。
昔から人が登れるような所の樹は多くの人たちが採取しつくしているので、人の入れぬ険しい場所でしか見ることは出来ないという。 それだけに、この花を遠くから眺めるだけで感動してしまう。
こんな厳しいところでほんとによく咲いてくれたもんだ!
ヤシオツツジの花もまだ咲きだしていない山奥で引き返し、龍王峡に戻ることにした。
ちょうどミツバツツジが今盛りと咲き誇る峡谷の遊歩道を歩いてみた。 新緑とピンクの花が心地よい。
浸み出した山の水辺にミズバショウも未だ咲いていた。 もう少し早い時期なら見ごろだったろうに・・・とちょっと残念な気持ちになる。
ショウジョウバカマも未だかろうじて残っていた。 この辺りでは春一番に咲き出すこの花ももう終わり。 だが会えて良かった!
夕刻山の家に戻ると、家の前にトラックが停まっていた。 水道工事屋が来ていて、外壁を切り開いて配管の破裂場所を見つける作業中だった。 明日来ると言っていたので早く来てくれてありがたかった。 台所の方を見ると又もや水浸しになっていたのでそっちも治してくれるよう頼んでともかくほっとした。
4月26日
日が長くなった。 昨日は夕方6時近くまで工事が掛かったが日が長くなったお陰で無事終了。 お陰で水のある生活へ戻れたのだった。
今朝も良い天気。
早速朝から周囲ののどかな春の山を眺めながら近くを歩いてみることにした。
もう既に山里の農家の田圃には水が張ってあった。
棚田に向かう小径を登ってゆくと脇はニリンソウが花盛り。 この辺りはいたるところにこの群落がある。 土地の人に聞くとニリンソウは別に珍しくも無い雑草なんだそうだ。
ちょっと荒れた耕していない畑に出た。 見るとカキドオシが花盛り ここのカキドオシの茎や葉は赤みを帯びていて珍しい。
ナズナの群落があった。 白いナズナの花の周囲に黄色い小さな花を付けたのも群落になっている。 菜の花の小さいものかと思ったがちょっと咲き方が違う。
近くに寄ってよく見るとこれも形はナズナのような形をしているではないか!
花が黄色くて振り子のような実の形は三角形ではなくて楕円形。 調べたらこれはイヌナズナという種類のナズナ、 そういえば以前ここで出会ったことがあったこと忘れていた。