2007年9月2日日曜日

成東湿原は秋の色

長い猛暑や気温の変化にすっかり体調が狂ってしまったが、今日は久しぶりに青空が覗いたので、気分転換に成東湿原に行ってみることにした。 

稲刈りの季節が始まった田園を抜けて九十九里浜近くの成東食虫植物群落地に着くと、今日は日曜日とあって狭い駐車場は既に満車に近かった。
何とか車を停めて湿原に入ると、そこはツリガネニンジンとオミナエシの色で満ちていた。





今の時期は「カワラナデシコ」が咲いているとパンフレットに出ていたので木道を目を凝らしながら歩くが見当たらない。

広い湿原の何処に咲いているのか・・と湿原の外周の小径から歩きながら探すと、それらしいピンクの花を湿原の中に確認することが出来た。



それにしても今の時期の湿原は黄色い花が多い!

又木道に戻って目を凝らすと、小さな黄色い花を付けた草が目に入った。 これはマメ科の「カワラケツメイ(川原快明)」だ!
更に目を凝らしながら歩いていたら、背丈10cmほどの小さな花穂が目に入った。 これは始めて対面する花だ!
調べてみたら、この花はヒメハギ科の「ヒナノカンザシ(雛の簪)」と言う植物、なかなか洒落た名前が付いている。

そういえば例の「コバノカモメヅル」はどうなっているのだろう・・と思い出した。 例年咲いている場所に行ってみると、ちょうど今が盛りと咲いていた!
この小さな変わった花に会うのを楽しみにしているのだが、この花の素性を知らないことに気がついた。 そこで早速調べてみたら、なんとこの花はガガイモ科、カモメヅル属の花だと言う。 これがガガイモ科とはにわかに信じられない気持ちだ!

湿原の今はゴマノハグサ科、ゴマクサ属の「ゴマクサ(胡麻草)」の天下、小さな薄黄色の花があちこちに咲いている。
マメ科、ノアズキ属の「ノアズキ(野小豆)」も咲いている。 この花の別名が「ヒメクズ」と言うことを初めて知ったが、なるほど葉の雰囲気は葛の葉に似ている気がしないでもない。
ワレモコウに出会う。 バラ科、ワレモコウ属のこの花、ここではお馴染みと思っていたが思いのほか少なくて、切り上げようと思っていた時にようやく対面。 
  この湿原は養分が少ない為にあまり育ちが良くないのだと管理人が言っていた。
ところで「ワレモコウ」って名は何から来てるのか・・と気になった。 図鑑を見たら漢字で書くと「吾木香」と書くのだと言うが良い香りがする訳でもなく由来は不明と出ていたのにはがっかり。

切り上げて湿原の外に出る。 湿原の周囲の草むらにはマメ科、ダイズ属の「ツルマメ」が咲き乱れていた。
湿原を後にしての帰り道、稲刈りが終わった田圃に稲掛けがしてあった。 こんな昔ながらの懐かしい情景に出会えることは滅多に無い。