2007年1月31日水曜日

本佐倉城址散策

真冬と言うのにポカポカと陽射しが暖かいこの朝、誘われて発掘作業が進んでいる町外れの本佐倉城址へ奥方と一緒に出かけてみた。
秀吉の北条攻めで滅ぼされ、徳川の時代に入って佐倉市の佐倉城に移転するまで、15世紀から16世紀の戦国時代の下総一帯に勢力を伸ばしていた千葉氏の拠点であったという。
国の史跡に指定され鬱蒼と茂った竹やぶや雑木林が伐採されてみると、現れたのはまぎれもなく城の跡である。
未だ伐採や発掘作業が続いている起伏に富んだ城跡を歩いていると、行く手を竹林に遮られた。 覗いてみるとそこは窪地になっていて、城の空堀の跡だという。
竹林を抜けると、切り通しのような場所に出て、その先に印旛沼干拓田が広がっていた。 この場所は「虎口」と呼ばれる城への出入り口なんだそうだ。 
当時はこの先から水を満々と湛えた印旛沼の湖面が広がっていたという。
更に奥に、雑木林が伐り払われた中を行くと馬の背のような場所に出た。 城の先に突き出たこの場所は「物見跡」だという。
歩いてみるとこの城跡は結構大きいのに驚く。 小一時間歩いただろうか、ようやく一回りして中央の城山に戻ってきた。

 戦国時代の城は館の周りを堀や柵が巡らしてあって、安土桃山時代以降の城のイメージは無いそうだが、こんなに広いとは予想外だった。 この城山から当時はどんな情景が見えたのだろうか・・・と想像するだけでも楽しくなる。

ちなみにこの城、江戸時代以前の古文書には「さくらの城」すなわち「佐倉城」と記されていたとのことである。 江戸時代に現在の佐倉市に移転して佐倉藩主の居城となった城が「佐倉城」と呼ばれるようになったことから、近年、歴史研究上識別する意味で地名を頭につけて「本佐倉城」と名づけたのだという。 

昔から城の名には頭に地名が付けられているというが、確かに思い浮かぶ城の名を挙げてみるとほとんどそうなっているから面白い。

2007年1月26日金曜日

えこひいき

このところ野暮用が多くてなかなか外に出る機会がない。 今日もなんとか天気は持ちこたえているのにつまらない。 こんな時、用事の合間に眺める庭の小鳥が気を紛らわしてくれて大助かり。
今朝も早くからメジロがやってきていたが、
ふと見るとムクドリが飛んできてメジロを追い払った。 なんてふてぶてしいムクドリだろう!
このムクドリめ!・・と窓の近くに行って脅したら、ムクドリはあわてて飛び去った。 すると直ぐさま近くの椿の中に隠れていたメジロが姿を現した。
メジロの姿をしばし眺める。 
毎日、朝から夕方までヒヨドリやムクドリとかわるがわるやってくるのだが、見ていて飽きないから不思議である。
このところ、ヒヨドリやムクドリがメジロを追い払うのを見ると、「この野郎!」とメジロに加担して脅かすのが日課になってしまった。 
これってやっぱり「えこひいき」かもしれないなあ・・等と思いながら。

2007年1月24日水曜日

暖冬の池

今年の冬はほんとうに暖かい。 それもこの暖かさは日本だけではないという。 まあ暖かいのは助かるが、季節感が無くなって調子が狂うのにはちと困る。
 ここ数日野暮用が重なって足止めされていたのだが、歯の治療が終わった今日の午後、陽が射してきたので坂田ケ池に行ってみた。 「ミコアイサ」に会えるかも・・と期待していたのだが、やっぱり今日も見当たらない。
池の縁を歩いていたら池の中で賑やかな声、見るとマガモの♀を3羽の♂がパチャパチャと追っていた。 この暖かさで水鳥の世界にも一気に春がやってきているようだ。
池にはマガモやカルガモの姿が多かったが、中に頭が赤茶の鴨が居る。 望遠で覗いてみたらそれは「ホシハジロ」だった。
遠くにマガモのような色をした鳥が泳いでいる。 よく見ると体の模様がマガモとは違う。 ともかくカメラに納めて後で図鑑で確かめたら、それはハシビロガモだと判明した。  なるほどよく見ると、嘴が平べったい形をしている。


この池、見た目よりは結構大きい。 坂田が池の周囲を回るのには結構時間が掛かり、だいぶ陽が傾きかけてきた。
ふと山裾に鳥の気配がして見てみると、何やら見慣れぬ鳥が落ち葉を嘴でけちらしている。 ちょっと大き目のどこかアカハラに似た体型の鳥だった。 これもカメラに納めて後で図鑑で確認してみたら、 どこと無く「シロハラ」に似ているような気もするのだが定かでない。 でもまあしようがないからシロハラにしておくことにする。
この前ルリビタキの♀がとまっていた梅ノ木を見ると、可愛い紅梅の花がちょうど咲き始めたところだった。

2007年1月19日金曜日

サクラソウが咲き出した!

昨日は異常に暖かかったが、今朝の窓の外はいつもの冬の寒さに戻っていた。 冷たい風も吹いている。 こうなると意気地がなくなって出歩く気分にならないから困ったもの。
10日ほど前に気がついたサクラソウの蕾はどうなっているだろう・・とちょこっと庭に出てプランターを覗いてみると、蕾の先には赤い花びらが顔を出し始めていた。

この園芸種のセイヨウサクラソウは生命力が強いのか、5-6個の鉢に増えてあちこちに置いてある。
 ふと朝日の当る玄関先に置いてある鉢はどうかと見てみると、何とこちらはもう咲き出している。 
何時も通っているのに足元のこの花には気がつかなかった!
そういえば毎年この次期になるとネコヤナギの花が咲き出すんだった・・と思い出し、家の壁際に植えてあるこの樹を覗いてみる。 やっぱり予定通り白い綿帽子のような花が咲き出していた。 毎年のことだが、この綿帽子を見ると春がもうそこまで来ている気がして嬉しくなる。

2007年1月18日木曜日

北印旛沼探訪

時折近隣の季節の情報を掲示板に書き込んでくださる方から、バンダガモの「ミコアイサ」の情報を頂いた。 北印旛沼のその場所は未だ行ったことがない東の湖岸、早速出かけてみることにした。 
行ってみてその眺望の良さに感動。
西岸や南岸と違って岸辺からの見晴らしがすこぶる良い。 北北西の方向を見ると、1.5km先の岸辺の奥に遠く安食の町並みが見えている。
西南西の方向は・・と見ると、印旛村吉高の丘陵が湖岸の向こうに連なっている。


あまりに気持ちのいい景観に誘われて、湖岸をしばし歩いてみた。 
例年だとこの次期の湖岸は寒くて震えてしまうのだが、暖冬の沼を渡る風は真冬とは思えないくらい穏やかだった。
湖面には水鳥の姿が点々と見えるのだが、沼があまりに広すぎて鳥を識別するのはちょっと無理。 それでも湖面を望遠レンズで探してみたが、あのミコアイサのような白い鳥は見当たらなかった。 遠く、波紋の中に泳ぐ鴨はどうやらマガモのようである。
白鷺が飛び立って、湖面すれすれに飛んで行く。 急いで400mmにx2のエクステンダーを着けたレンズで追ってみた。
上空を又白い鳥が飛んできた。 今度は白鷺ではなさそう・・とレンズで追ってみるとそれはカモメだった。 どうやらセグロカモメのようだ。 
初めてこの沼でカモメを見た時は「こんな内陸の沼にもカモメがやってくるのか?」と驚いたが、何時でも見かけるので不思議でもなんでもなくなった。 なにせペリカンまで棲んでるんだから・・。

2007年1月15日月曜日

凍てつく田圃

本格的冬の寒さになってきた。 昨日はせっかくの青空にもかかわらず冷たい風が吹き付けていたお陰でどこにも出かける気になれなかった。 今朝も辺りの家の屋根が霜で真っ白だったのだが、北風が治まったお陰で陽が高くなるに連れて幾分過ごしやすくなり、田園散策に出掛けることにした。 それでもやっぱり空気は冷たくて、直ぐに手がかじかんできた。
街外れの用水路に行ってみたが、今日もカワセミの姿は無く、 用水路を渡って農家脇の小径を行く。
ふと農家の裏手の植え込みの、実を付けたクチナシの樹に思わず釘付けになっていた。 クチナシの樹がこんなに綺麗と思ったのは初めて。


田圃の畦道を行く。
未だ陽の当らぬ日陰には薄氷が張っていた。 このシーズン初めて見る氷だ。 
暖冬が続いて一体どうなることかと思っていたが、やっと本格的な冬がやって来たようだ。


見渡しても何もない一面枯れ草色が広がった谷津田を行く。 枯れたセイタカアワダチソウの林のぞばを歩いていると、その中から一斉にスズメのような小鳥が飛び出して飛んで行く。
 遠くに止まったその鳥を望遠レンスで覗いてみるとカシラダカだ。 スズメが多いなあ・・と思っていたが、こうして見ると田圃の草むらにいるのはほとんどこの鳥のようだ。 そう言えば、スズメは群れているとチュンチュンと賑やかだが、このとりは意外なほど静かに群れている。
谷津田の上を何やら小鳥が数羽飛んで行って、里山の大きな樹の上の梢に止まるのが見えた。 静かにその樹の下に行って見上げてみると、それはカワラヒワだった。
歩いていると、行く手の田圃からキキキと声を上げてツグミが飛び立つことがしばしば。 去年の冬はこの鳥が少なくてどうしたのかと思ったのだが、今年はいつものようによく見かける。
この写真、数メートル先の田圃から畦の上に出てきた瞬間を撮ったもの。 直ぐにこちらに気がついてキキキと飛び立った。

2007年1月13日土曜日

嬉しい出会い

今朝は一転、又素晴らしい天気が戻っていた。 いい天気なのに野山に見るべき花もないしどうしよう・・・と思っていたら、葉っぱを引っかくとその後が黒く浮き出て文字を書くことが出来る「タラヨウ」という別名「ハガキの木」という樹を見に行きたいと奥方が言い出した。 日本では静岡以西にしか自生しないこの樹だが、調べたら昔から神社やお寺に植えられているのだという。 そしてその樹が近くの町の神社に植わっていることを突き止め行ってみることにした。
利根川近くの鬱蒼と樹木が茂った丘陵にある一之宮神社の境内には直径1.5m近い巨大な杉の木があり、15m以上はありそうな「タラヨウ」も社殿の脇に立っていた。 根元に落ちている15cm近い厚ぼったい葉を拾い、文字を書いてみると確かに黒く浮き出てきた。
静かな境内を歩いていると、樹木の間を小鳥たちが盛んに声を上げながら飛びまわり、ヤマガラが木の実をついばんでいた。

ただそれだけのことだったが、ちょっと珍しいものを見た満足感に浸ってそこを後にした。帰り道、房総風土記の丘の坂田が池に立ち寄ってみた。 もしかしてあの「ミコアイサ」というパンダガモが来てないか見たかったからである。池のほとりを歩いてみたが未だあのカモは見当たらない。 その時、池の縁の芦の茂みで鳥の地鳴きが聞こえ、 芦がカサコソと音がして小さな小鳥が姿を現した。
なんとそれは「ウグイス」だった。 水辺の芦の中にウグイスがいるなんて・・・と思ったがまぎれも無くウグイス。 声だけは身近な鳥なのに、姿を見てカメラの収めたのはこれが初めて、今日はほんとについている!
駐車場に戻りかけたとき、今度は山側の梅の植え込みに小さな鳥が飛んできたのが目に入った。 あまり見たことがない可愛い小鳥だ。 望遠レンズで覗いてみると目の周りがメジロのように白い。 メジロかなあ・・とも思ったが顔つきも色もやっぱりメジロじゃなさそうだ。
もっとよく見て見たいと思っていたらふっとファインダーから見えなくなった。 探したら、又別の梅ノ木に止まっていた。よく見ると尾が青い色をしている。 これはきっと「ルリビタキ」の♀に違いない! この鳥もこれまで出会った事がない初対面だ。

2007年1月12日金曜日

芦原の主

昨日の午前中までは勿体ないような青空だったが、胃検診の結果を聞くのに朝から病院に釘付けにされてしまって開放されたのは午後二時過ぎ、そのころから雲が広がってきて今日もあいにくの天気になってしまった。 
うすら寒かったが小鳥でも見てこようと、雲の合間から薄日が射し出した頃合を見計らって干拓田の芦原に行ってみた。
今芦原は冬鳥の天下、早速姿を見せたのはカシラダカだった。






鳥がさえずる声がするのに、気配を察すると直ぐに芦の茂みに姿を隠してしまってなかなか姿を確認できない。
ゆっくりと芦原に目を凝らしながら行くと、今度は綺麗な色の鳥が目に入った。 見るとそれはモズだった。




行く手の芦原には盛んに小鳥が飛び交っている。 羽の色や模様を見るとカワラヒワのようだが、カメラを構える間もなく芦の茂みに身を隠してしまいなかなか撮らせてくれない。
ようやく茂みの中のカワラヒワを見つけてシャッターを押したのがこの写真。
 
それにしても芦の茂みの鳥撮りはピント合わせが難しい。 撮った写真の殆どはピンボケだったのだから。

2007年1月10日水曜日

暖冬

今日も風もなく真冬とは思えないような穏やかな日和、昨日出会えなかったカワセミに会えるかも・・・と又町外れの用水へウォーキングがてら行ってみた。 がやっぱり今日もカワセミの姿はない。 
それでもあの可愛いエナガは今日も桜の枝の間を飛び回っている。
スズメのような鳥が人の気配を悟って対岸に逃げた。 みるとその小鳥はアオジだった。
カワセミをあきらめて田圃の周辺を散策していると、枯れ草の茂った土手の上にノイバラの赤い実が目に入った。
笹薮に絡まったヘクソカズラの実も冬の陽光に光っていた。
セイタカアワダチソウの綿毛が毛皮のコートのように暖かそうに見える。
歩いていると道端に未だセイタカアワダチソウが咲いている! 
こんな時期に未だ咲いてるとは・・・、 今年はやっぱり暖冬だ。

2007年1月9日火曜日

柳の下のドジョウ

昨日カワセミの飛ぶ姿を見た用水路に二匹目のドジョウを求めて今日又行ってみることにした。 住宅街の外れを里山から浸み出た水を集めて流れる用水路は、田圃が休んでいるこの時期が一番澄んでいて、 カワセミも一番小魚を捕りやすい時期。 出会う確立も高いに違いないと期待しつつ川上に行ってみると、この寒いのにザリガニでも獲っているのか小学生くらいの3人の児が川の中ではしゃいでいる。
川沿いの桜並木を川下に向って歩いていると、昨日と同じようにシジュウカラが飛び回っている。
枝にとまったので望遠レンズで覗いてみたらメジロだった。 メジロまで一緒だったとは驚いた。
重いカメラを構えながらちょこまかと桜の樹の枝の中を動き回る小鳥を追っているとその内腕がだるくなる。一息入れて待っていると、近くの枝に別の鳥が飛んできた。 今度はシジュウカラだった。
入れ替わり立ち代り飛んでくる鳥は少しもじっとしてくれない。 やっとのことでシャッターを押したらそれは昨日初めて出会ったエナガだった。 まるまっちくて可愛いこの小さな鳥、だんだん好きになってきた。
しばらくこのエナガをレンズで追いかけてみることにした。 ちょこまか動き回っていたがようやく見やすい場所にとまったところを連写。 ほんとに表情が可愛い!
連写した中の一枚がまるでぬいぐるみで出来たように見える。 こんな鳥が身近にいたとは嬉しい限り。

ひとしきりエナガと遊んだ後、再びカワセミを探して川下へと向ったが、やっぱり柳の下に二匹目のドジョウは居なかった。

2007年1月8日月曜日

新春の田園散策

今日は快晴、強い北風も幾分おさまってきたので印旛沼干拓田の方まで歩いてみることにした。
町外れの屋並を抜けて谷津田に下る。
田圃の畦は未だ枯れ草の世界だが、よくみると、日溜りにはオオイヌノフグリが星をちりばめたように咲いている。 この花、秋口から目にするようになるが、やっぱり初春の花、この時期に出会うのが一番嬉しい。
ホトケノザもだいぶ背丈を伸ばして咲いていた。
草花にはそれぞれ固有の季節感があるからだろうか、鳴子のような種を一杯つけたナズナも、この時期に見るのが一番のような気がする。 違う時期に出会っても感動が湧かないから不思議である。
谷津田を抜けて広々とした干拓田に出る。 今日は空気が澄んでいて、遠く筑波山が見えていた。





昼近くになってきて用水路沿いに家路に戻ることにした。 去年一度も出会えなかったカワセミに出会うことを期待して・・・。 歩いているとあの瑠璃色の羽を輝かせて用水路の上流に飛んで行くカワセミの姿が!
もうどこかへ行ってしまったのか・・と思っていたこの鳥の姿を目にして嬉しくなり、すぐその後を追ってみたが見つけられなかった。
未だ居ると分かっただけでもよしとするか・・と思ったとき、近くの桜の木に数羽のシジュウカラが飛び回っていた。 その中にちょっと色の異なる鳥がいる。 それは初対面のエナガだった。