2006年3月14日火曜日

郷の春

今朝は抜けるような青空が広がって暖かそうな陽の光が差し込んではいたが、窓を開けると開きかけた花達も戸惑っているのでは・・・と思われるほど空気が冷たかった。
でもこんな日は歩くには汗をかかなくてちょうど良い・・と、旧成田街道沿ひの古い屋並の小径を歩いてみた。
街道から一歩奥に入ると、この辺りでは珍しい真っ赤に塗った家があった。 その家の向こうに枝振りのよい鎮守の森の古木が辺りを見下ろしていた。
わが町「酒々井」の名前の由来となった「酒の井戸跡」のそばに満開に近い梅ノ木が立っていた。 
脇に立つ背の高いシュロの樹が、どこか南国のような雰囲気をかもし出していて面白い。
道端に未だ植えたばかりのような可愛い沈丁花が花を咲かせていた。
そういえば、沈丁花の春の香りは待ち遠しく思ふのだが、花が可愛いと思ったことはあまり無い。 新発見したような気がして見直した。
集落の中の小径を更に進むと、里山の覆いかぶさる雑木の中にキブシの花が垂れ下がって咲いているのを見つけた。 以前はよく出会ったこの花も、道が広げられたりする度に伐採されて数を減らしている。 だから久しぶりに出会うとほんとに懐かしい。 

里山の急斜面を降りて林の中に入り、そろそろヤマネコノメソウの花が咲くころ・・・と木漏れ日の射す林の中に目を凝らす。

なんだか以前より数が減っているようだが、そこここにこの花が咲いていた。 この変わった花に初めて出会ったときは驚いたが、今では春一番に咲き出すこのユキノシタ科の花に会うのが楽しみである。