2006年8月31日木曜日

夏の名残り

8月最後の日は秋晴れのような良い天気になった。 気温は軽く30℃を超えたが湿度は60%。 これだけ湿度が下がるとさすがに風が心地よい。 
この天気に誘われて久しぶりに近くの谷津田の奥を歩いてみた。

カナムグラが生い茂る田圃際を歩いていると汗が噴出してくる。 まださすがに陽射しは夏である。
一面に黄色い花が咲く休耕田に出た。 見るとそこはヒレタゴボウ(アメリカミズキンバイ)の群落になっていた。 なかなか大規模な群落だ。 
この花、晩秋になると葉や茎が赤く染まって綺麗なのでよく撮っているのだが、この時期に撮ったのは初めてかもしれない。
白い綿毛を付けたベニバナボロギクもいつもの場所に咲いていた。 この花、綺麗というわけではないのに惹かれてしまう。 何処が良いんだろうか・・・と考えても分からない。 気がつくと立ち止まってレンズを向けているから不思議である。

田圃の縁の草むらを眺めながら歩いていたらアキノノゲシに出会った。 一瞬、「おー、秋を見つけたぞ!」と思ったが、この陽射しではまだまだ秋は遠そうだ。
ワイヤーにノシメトンボが並んでとまっているのが目に入った。 辺りにもいっぱい飛んでいる。 その時ふと秋を感じたのだった。




明るい草原に出た。 陽に照らされた草の匂いがむせるようだ。

ふと小さな黄色い花を付けた草が目に入った。 クサネムだ!
今頃花が咲くことをすっかり忘れていたが、よく見るともう豆が生っている。 これは夏の花だったのだ。
ちいさな紫の花を付けた蔓草もあった。 これはツルマメだ。 この可愛い花は秋の花と思っていたが、こんな時期から咲き出すとは知らなかった。



草原を抜け里山の縁の木陰径に入る。 今日は木陰は涼しくてほっとする。

傍らの藪に弦が絡まり、黄色い花が咲いていた。 これはどうやらトキリマメの花のようだ。 今年も晩秋の赤い実が楽しみになる。
それにしても今の時期はマメ科の花が結構ある。


谷津田の奥にやって来た。 小径の草が昨日の雨で濡れていて、足元に浸みてきた。

あちこちにアキノタムラソウが綺麗に咲いている。 この辺りまで来ると農家の人もあまり歩かないのか、小径にくもの巣が張っていた。
山際のところどころにシラヤマギクが控えめに咲き始めていた。 この落ち着いた雰囲気が何とも言えず好きなので毎年のように撮っている。

里山の樹陰には秋がそこまで来ているようだ。

2006年8月26日土曜日

野には夏終盤の草花が・・・

今日は時折霧雨も降る天気だったが、あの猛烈な蒸し暑さからは開放されて久しぶりに涼しかった。 これなら出歩いても大汗をかかなくて済みそう・・と、 この時期はどんな草花が咲いてるか見に行ってみることにした。

彼方にコンバインの姿が見える田圃の奥の山際を歩いていると、道端にこのニラの花が咲いていた。 
この花、これまであまり観察したことは無かったが、よく見ると結構清楚で綺麗な花だと再認識。 草原でよく見かけるので気になって図鑑を見たら、この花は昔から野に自生していたのか栽培されているのが散逸したのか定かでないと書いてある。



それにしても今の時期はほんとに花が少ない。

道端に目を凝らして歩いていたら背の丈40cmくらいに大きく枝を張ったオオニシキソウの枝先のあちこちに白い斑点が付いているのが目に入った。 雨の雫が光ってるのかと思ったがよく見るとそうでも無さそうだ。 
近くで目を凝らしてみるとそれは粟粒ほどの小さな花だった。 良く見かけるこの外来種の雑草、花を確認したのはこれが初めてかもしれない。 図鑑によると、白い花びらに見えるのは花びらでは無いというから不思議である。

今度は草むらに小さなピンクの花が点々と咲いているのが目に入った。 見るとそれは咲き始めたばかりのキツネノマゴだ! 
里山の縁等で大きく成長して群れるこの草を見ると猛々しさすら感じるのに、こうして咲き出したばかりの花に出会ったお陰で意外と可愛いことに気がついた。





里山の縁には先日出会ったキツネノカミソリがまだ咲いている。 結構長く咲くもんだ・・と感心しながら歩いていたら、

田圃側の道端にヤブランの花が固まって咲いていた。
この時期、里山の藪の中のあちこちに咲いていてあまり気にも留めないが、こうして固まって咲いてる姿は綺麗で珍しい。







いつもだとそろそろ汗びっしょりになって音を上げる頃だが、今日は少しばかり汗ばむ程度で大助かり。 草が生い茂る里山の縁の秋の草花はまだこれからのようだ・・と確認していたら、 

まさかサラシナショウマじゃないよなあ・・と思うくらい真っ白な花の房が目に入った。 それはヤブマオの雄花だった。
猛々しく道端を覆いつくす厄介者のヤブマオ、咲き始めのこんな綺麗な花に出会ったのは初めて。 この花がこんなに白いとは!

2006年8月21日月曜日

ヤブミョウガ

このところ毎日のように入道雲が湧き上がり、時折にわか雨が降ったりして蒸し暑い日が続いている。 
この暑さにすっかりうだっていたが、ふと8月も終わりに近いことに気がついて、里山のヤブミョウガも終わりに近くなっているかもしれない・・・と急に気になりだした。

さっそく暑さを覚悟で既に稲が重そうに穂を垂れているこの谷津田の奥の「西井戸の里」の里山に行ってみた。
昔山から水が湧き出ていたことから「西井戸」と呼ばれているこの地の里山、里山保存ボランティアの手で綺麗に手入れされてすっかり明るい森のなっている。 見ると今年も林の中一面にあのヤブミョウガは咲いていた。
木漏れ日の中で一面に咲く白い花をみるといかにも涼しげである。
でもよく見ると予想通りもう盛りを過ぎようとしていて、既に綺麗な瑠璃色の実になっているものもある。 今日見に来たのは正解だったようだ。
したたり落ちる汗を拭きながらしばし眺めていたのだが、残暑厳しいこの時期に咲くこの花、見に来るのもなかなか勇気が要る。
帰り際、谷津田の対岸、戦国時代の城跡の近くの廃寺跡に立つ大きな百日紅を眺めてみた。 この樹、樹齢何年だか分からぬが、おそらく戦国時代からここに立ち続けているのでは・・といつものように想像をめぐらす。
今年は花の数が少ないようだ。

2006年8月18日金曜日

今盛りのタカサゴユリ

ここ数日台風の影響でじめじめした蒸し暑い日が続き、昨日なんか気温31℃と猛暑にはならなかったが湿度が85%にまでになって不快この上なかった。 
今朝は一転快晴になって湿度は70%と一気に15%も下がったお陰で朝のうちはだいぶしのぎやすかった。 それでも強烈な陽射しが照りつけ、気温は鰻上りに上昇。
とても田園散策なんかに行く気にはなれず、久しぶりの青空をバックに庭に咲き出したタカサゴユリをカメラに収めてお茶を濁すことにした。
このタカサゴユリはいつの間にか我が家の庭に住み着いたもの。 ユリは球根で増えるものと思っていたが、隣近所の庭にもあちこちで咲いているから種が飛んで来て根付いたとしか思えない。 一体どんな種なんだろう・・・と不思議である。
傍らにヤブランも咲いている。 こんな暑い時期に咲くんだったかなあ・・・。

2006年8月15日火曜日

盛夏の草むらに咲く花

今日は朝から台風10号の影響なのか、どんより雲って時折霧雨が降った。 お陰で猛暑にはならなかったが湿度は高くて蒸し暑い。 この時期になると里山にはキツネノカミソリが咲いているはづだがこの天気ではなあ・・・と空を眺めているうちに「でもやっぱり見てこよう!」と出かけることにした。
去年この花が群生していた里山の縁のお墓に行ってみたが、周囲は綺麗に草が刈られて花の姿は全く無い。
仕方なく霧雨の降る谷津田の農道を行くうちに、点々と咲くこの花が目に入った。 やっぱり咲いていた!








霧雨がひとしきり強く降りだしたので今度は西印旛沼近くに行ってみることにした。 既に穂を垂れた広大な干拓田を見ながら車を走らせていると、傍らの草むらに群れて咲く白い花が目に入った。
センニンソウかな?・・と車を停めて見てみると、葉の形からそれはボタンヅルの花だった。 
お盆のこの時期は綺麗に草刈りされるのでなかなかお目にかかれない花だ。


この時期はこの「ボタンヅル」や「センニンソウ」、そして「キツネノカミソリ」位しかなかったかなあ・・と考えたら、もう一つ「クサフジ」もこの近くに咲いてたはづ・・と思い出した。 
さっそくその場所に行ってみたが、そこは綺麗に雑草が刈られていてその姿は全く見つからなかった。
仕方なく「野鳥の森」近くの集落を抜けて帰りかけたとき、キツネノカミソリが群れて咲いてるのが目に入った。 
地元の方々の粋な計らいでこの花だけ残して草刈りされたようである。

2006年8月11日金曜日

山郷の夏の花

台風7号が何事も無く房総沖を通過したこの日、毎年恒例の草刈に栃木の山荘に出かけた。 
今年は長梅雨だったせいか、山荘の周りの草は身の丈ほどに茂っていた。 涼しい朝のうちに草刈を終へ、いつものように山の花を求めて栗山郷へ出かけてみた。

快晴の山里はちょうどウドの花が咲いているところだった。
栗山郷から湯西川に抜ける山径をゆくと、斜面の林の中には今年の天候不順で会えるかどうか心配していたフシグロセンノウの赤橙色の花が一際鮮やかに咲いていて嬉しかった。
道端のあちこちにツリフネソウも咲いている。 平地では9月に咲くというのに、山は秋が早いのだろう。 ふと見ると、中にこのキツリフネも咲いていた。
毎年会うのが楽しみなシデシャジンは・・・と探していると、草むらの奥に咲いているのをやっと見つけることが出来た。 三十数年前に始めてこの花に出会って以来毎年会うのを楽しみにしているだけに出会うと嬉しさがこみ上げる。
例年は探し回るまでも無く直ぐ見つかるこの花、今年はかなり少ないようだ。
毎年訪れる沢筋の落ち葉に埋もれた斜面の森に分け入る。 この薄暗い森の中はソバナの群生地。 写真を撮るには暗すぎるのだが、いつも樹の幹に体を固定して撮っている。
この日も急な巣面にひっそりと咲くこの花を大きな樹の幹に寄りかかって撮ってみた。 ぶんぶんと寄り集まるアブの群れさえ居なければ、静かな森の中の空気はひんやりとして心地よい。

2006年8月9日水曜日

想定外の台風

北上を続け紀伊半島に近づいていた台風7号、そのまま北上すると思っていたのが昨日辺りから急に方向を東に変えて房総方面に向ってきた。 お陰で昨日から雨模様、今日はゆっくりと九十九里沖を通過している。

暑さにうだっていたので幾分しのぎやすいのは助かるが、雨では外に出てカメラいじりもままならい。

雨に濡れた庭を眺めつつ、「この台風、勢力が衰え風も無く、ほとんど被害も出てないからまいいか・・」と独り言。

2006年8月7日月曜日

裏庭のフロックスの花

梅雨が明けてから暑い日が続いている。 あまりに暑くて季節を味わいに行く気にもならないからこの日誌も途切れがち・・。

このところ花の気配がほとんど無くなった裏庭で、唯一咲き続けている白い花がある。
背の丈1mくらいの真っ白なこの花、昼過ぎに僅かな時間だけ当る陽に照らされて眩しい限り。 暇つぶしに撮ってみたまるでかき氷のようなこの花、奥方に聞いたら「フロックス」というのだと言う。

2006年8月3日木曜日

コモウセンゴケの花を求めて

梅雨明け後涼しい日が続いていたが、今朝は久しぶりに暑い陽射しになった。 この天気なら一昨日は陽が出なくて見損なったコモウセンゴケの花が咲いているに違いないと、さっそく成東の食虫植物群落地に出かけることにした。

真夏の焼け付くような太陽を避ける場所も無い湿原の入り口近く、柵になにやら白い花を付けた草が絡まっている。 見るとそれはセンニンソウだった!
 この夏最初のセンニソウに出会って思わず嬉しさがこみ上げた。
このコオニユリの花だけが明るく咲き誇る広い湿原を渡る風が、じりじりと照りつける夏の太陽の熱気を幾分やわらげてはくれるのだが、それでも額から汗が流れて目にしみる。


管理等で「今日はコモウセンゴケ咲いてる?」と聞いてみると、奥の湿原で咲いてるとのこと。 喜び勇んで先日蕾だった株を探しに行ってみた。
あまりに小さいので先日見たのが何処にあるのかなかなか見つからない。

やっとそれらしき花を見つけた! あの蕾、確かに開いている!
目を凝らすと確かにあちこちにピンクの小さな花が見える。 どれも他の草の陰になっていて写真を撮るのは容易ではない。 
望遠レンズに2xのエクステンダーを着け、マニュアルで葉の隙間を狙ってどうにか撮ることが出来た。
比較的他の草が邪魔にならない花を見つけた。 それにしてもほんとに可愛い! 










これまでモウセンゴケの花は白いものしか見たことが無かったので、まさかこのコモウセンゴケの花がピンクだとはつい最近まで知らなかった。 そういえばこの花が咲く暑い盛りにここに来ることが滅多に無かったから気付かなかったのかもしれないが。

2006年8月1日火曜日

再び成東湿原へ

7月の終わりになってようやく梅雨明け宣言が出たと思ったら、まるで秋のように涼しい日になってしまった。 ほんとに今年はどうなってるんだろう・・・。 

自生するコモウセンゴケが咲き出したという情報を見て、今日は成東湿原を再び訪れてみた。

 予想はしていたが湿原の中の木道を歩きながら小さなこの花を探すのは容易ではない。 

ようやく草陰に5cmくらいに広がった葉を見つけた!
この花は・・・と見回してみても目に入らない。 
ふと、ひょろひょろと伸びた茎の先に付いた小さなピンクの蕾のようなものが目に入った。 これがコモウセンゴケの蕾に違いないが見回しても花が開いているのは見当たらなかった。
管理棟に戻って聞いてみると、この花は陽が出てないと開かないのだという。 あいにくうす曇だったので花を見ることはできずがっかりだった。


「例年だと今頃サギソウが咲きますよねえ」と聞いてみると、今三輪咲いてると教えてくれてさっそく見に行ってみた。

小さいうえに木道から遠いので望遠で撮っても小さい画像にしかならなかったが、今年も会えただけでも良かったと満足。
近くにこの湿原に多いこのナガバノイシモチソウが生えていた。 もう花は終わったようだが、 周りに粘液の小さな粒を付け、虫がやってくるのを待っているようだ。



湿原には前回会えなかったコオニユリがそろそろ終わりかけ、ちょうどオミナエシが咲き始めたところ。 湿原の柵際に今年も咲きだしたという「コバノカモメヅル」を探しに行ってみた。

これも花が小さくてなかなか見つからなかったが、名札の立ててある周囲の草むらを探したらやっと見つけることが出来た。 
この小さくて可愛い花を見るのが楽しみなのだが、今年は例年より少ないような気がするが気のせいか・・・。