2005年5月28日土曜日

里山の花

今日は久しぶりに近くの里山を歩いてみた。 このところ運動不足で太り気味が気になっていたのでたっぷり歩いてやろうと意気込んで家を出たのだ。
10分ほどで鶯やホトトギスの声が賑やかに聞こえる谷津の入り組む里山の縁にやってきた。
日向のイボタノキが花を付け始めていた。 ついこの前まで小さな蕾を一杯付けていた初夏の花のしんがりを勤めるイボタノキも遂に開花しだした!
成田線を横切る里山の径の脇に毎年見事な花を咲かせるこのガマズミの樹が立っている。今年はどうかと行ってみると今年も見事な花を付けていた。 ブンブンと花の周囲でクロマルハナバチの音がしていた。

里山の林を抜けて広い田んぼの中を歩いた。 芦原では、ケケケクァクァクァカ♪とヨシキリの賑やかな声がしている。 何処にいるのかなあ・・としばし眺めたが姿は見えなかった。
田圃の向こうの山際に白い花が見えるので行ってみるとウツギが咲いているのだった。 今年最初の対面に嬉さがこみ上げた。 珍しくも無い何処にでも咲いてる花なのに、何度出会っても懐かしさで一杯になるからおかしなものだ。

ウツギが咲いている里山の縁をたどって歩いた。 うす曇だが次第に汗がにじみ出て背中を流れる。 先方の径が白くなっている。 エゴノキの花が径を染めているのだ。
ようやくエゴノキが満開になっていた。 エゴノキは花を咲かせるとあっという間に散ってしまうのでうっかりすると見損なってしまうことが多い。 今年は例年より開花が遅れたのでじっくり開花を待つことが出来て見損なわずにすんでほんとに良かった。   こうして歩いていると、あちこちでエゴノキに出会った。 里山には意外にエゴノキは多いんだ!
この前佐倉城址でテイカカズラを探した時、蕾の痕跡すら見つからなくてがっかりしたのだが、 やっと今の時期になってこの花に出会った。 やっぱりことしは開花が遅れていたのだ。
大木を覆ひつくすような景観は雑木林では期待できないが、里山の林のあちこちでプロペラのようなテイカカズラが今咲き出していた。

これ等の花が終わると梅雨に入る。 梅雨に入る頃咲き出すのがクマノミズキ、この樹は今たわわに緑の蕾を付けていた。

2005年5月24日火曜日

千葉県花植木センター

今日は幾分過ごしやすい天気、所用があって出かけたついでに季節の花を求めて成田空港近くの千葉県花植木センターへ行ってみた。 中央の芝生の広場の方から賑やかな幼稚園児の声がしている以外には人影もまばらであった。
時折飛行機の轟音が響く広大な敷地には大小様々な珍しい樹木が一杯植わっている。

そんな中にベニバナトチノキが赤い花を付けていた。
直ぐ近くにオオヤマレンゲの樹がある。 見るとあちこちの葉陰に蕾や花が付いていた。
優しくて高貴な雰囲気のこの花、皆上を向いているのでよく見ることが出来ないのがちょっと残念。


珍しい樹木の林を抜け、小さな温室を通り抜けてバラ園に行ってみた。

バラは未だ蕾の方が多いのだが、先日行った京成バラ園の時よりだいぶ咲き出して、華やかな雰囲気のバラが眩しく咲いてる。
華やかなバラも良いが、原種に近い素朴なバラは無いかと探したが見当たらない。
比較的おとなしいこのバラを見つけて撮ってみた。








バラ園の脇のベンチに座り、バラの香に浸りながらコンビニ弁当を広げてしばし休憩。 爽やかな風に運ばれるバラの香りが何とも心地良かった。

やおら腰を上げて出口近くの花壇にやって来たとき、 花壇の中をアオスジアゲハが舞っていた。 早速カメラを構えて連写した中の一枚がこの写真。 羽を煽って花に取り付く瞬間である。

2005年5月23日月曜日

馴染みの無い花達

家の近くや周辺へ出かけた時、おや、一体なんだろう?と首をかしげるあまり馴染みの無い花に出会うことがある。

5月16日、九十九里浜を歩いていた時出会ったこの小さな花もその一つ。 あまりに小さくて老眼の目でははっきり識別できなかったが、花の形は庭にも生えている雑草のツメクサに似ている。 只何となく茎や葉っぱが厚ぼったいのだ。
写真を撮って家で調べたら、これはハマツメクサというものらしい。 ナデシコ科ツメクサ属と普通のツメクサと同じ仲間だが、海辺に適応した種類らしい。

その近くで又変わった花を見つけた。 これは何処かで一度出会った記憶があるが写真に撮って調べたらヨーロッパ原産の帰化植物、シロバナマンテマという花。 日本に渡来したのは江戸末期というから結構日本には馴染んでいる花のようだ。 そしてこの花もナデシコ科でマンテマ属であった。 何処かで出会ったはず・・と記録を探したら、去年の5月に房総風土記の丘で出会っていたのだった。

5月21日、庭先に普段余り気にも留めてなかったひょろひょろと2mくらいに伸びた樹の先に黄色い藤の花のような花の房が下がっていた。
栽培種の花は趣味じゃないのでからっきし分からず、えっ これはな何?と思ってかみさんに聞いたらキングサリだという。
そこで早速調べてみたら、欧州中南部原産のマメ科ラブルヌム属という舌を噛みそうな種類の樹だということが分かった。 ヨーロッパではあちこちで馴染み深い花なんだそうで、観賞用に輸入されたようである。

そして昨日、芝山水辺の里で初めて出会ったのがこの花である。 この花も写真に撮って調べてみたらツクバネウツギだということが分かった。 花の後に付いている星型のへたが羽根つきの羽根に似てるところからこの名がついたらしい。
ウツギという花はいろいろ種類があって頭が混乱していたので更に調べてみた。
大別したところ、初夏の里山で見られる白い花を咲かせるユキノシタ科のウツギと、ハコネウツギのような形のスイカズラ科のウツギがあることが分かった。 日本海側で見られる大好きなタニウツギは後者のタニウツギ属の花なのだ。
タニウツギはタニウツギ属になっていたが、このツクバネウツギもスイカズラ科ながら、ツクバネウツギ属に分類されたウツギであった。

植物をまともに調べだしたらとてつもない泥沼に入り込みそうで、とても素人には手に負えないなあ・・と溜息。

2005年5月22日日曜日

芝山水辺の里

一昨日、所用で出かけた市川市の街路樹のヤマボウシが既に咲き揃っていた。 エゴの花も咲き出しているという便りも聞いているし、そろそろ様子を見に行かねば・・・と、今日の午前中、近くの「芝山水辺の里」を訪れた。

普段訪れる人も少ないこの公園は成田空港南端にあり、南風が吹くときは離陸したばかりの巨大なジェット機が轟音を立てて頭上を飛び去ってゆく。
ヤマボウシは・・・と見ると、 花は未だ咲き出したばかりで緑がかっていて真っ白になるのはもう少し先のようだ。
周囲の里山にエゴノキが見えた。 沢山蕾を付けているが花は未だ咲いていない。 でもこの様子だとあと数日で咲き始めそうだ。 咲き終わっちゃわないだろうなあ・・と心配していたがこれを見てほっとした。

ヤマボウシやエゴノキの様子が分かって一安心して家路に着いた。

帰り道のあちこちで今花が真っ盛りなのはハリエンジュ。 里山に真っ白に花を付けたこの大きな樹が目を楽しませてくれた。
蜜蜂が飛び交うこのハリエンジュ、近くに寄ると辺りに良い香りを漂わせていた。 
これまで近くでよく見たことが無かったが、 この花意外に綺麗な花だと改めて思ふ。

2005年5月19日木曜日

成東湿原のトキソウ

穏やかな五月晴れの日が続いて欲しいと思っているのに、昨日から猛烈な風が吹きまくったと思ったら今日は真夏のような暑さになってしまった。 
昼近くなってようやく風がおさまってきたものの、体がだるく感じるほどの暑さにうんざりしていたが、 ふとトキソウは今頃咲くのではなかったかなあ・・と気になって花暦をめくってみるとやはり今頃咲いていることになっている。
去年は見損なっているので早速車のエアコンを効かして成東湿原へ出掛けてみると、20cmくらいのこの可愛い花が湿原の草むらに点々と咲いているところだった。 








この湿原は食虫植物の群落地としてわが国で最初に天然記念物に指定されたところ。 九十九里浜近くの田園地帯にあるこの湿原に山地でしか見られないはずの珍しい植物が自生しているのだから驚きである。 

湿原の中の木道をトキソウを探しながら歩いていると、 食虫植物のイシモチソウと並んで咲いていた。









昔山で出会ったトキソウに初めてここで出会った時はほんとに驚いた。 まさか暖かい千葉の田園地帯でこの花が咲いているとは思いもよらなかったからだ。 なんでもこの湿原、冷たい地下水が湧き出しているためだという。

ムラサキ色の花も咲いている。 見るとそれはこのハルリンドウだった。

2005年5月17日火曜日

無くなった野草!

北総の地図を眺めると、西印旛沼に流れ込む幾すじもの中小河川が北総台地を刻んでいる。 
これ等の流れを遡ってみると、なんと湾岸の習志野、千葉、四街道、八街等、大都市周辺の丘陵地まで達していることに気付く。 これだけ人口が密集する広大な地域が源になっているのだから、沼の水質汚染を浄化するのは並大抵のことでないことも分かってくるというものだ。

そんな印旛沼水系の南東方向の源流を訪れた。 そこは写真のようにとても千葉市郊外とは思えないのどかな谷津田である。




去年初めてここを訪れたのは、ここに絶滅が危惧されているカザグルマが自生していることを知ったからだった。
里山の籔の中にこの時期大輪の白い花を咲かせているはず・・・と目を凝らして探してみたが見つからない。

白い草花といえばハルジオンくらいのもの、田圃の畦にケキツネノボタンも咲いていた。





一体どうなっているんだろう・・と用水路を渡って里山の縁に行ってみた。 うっそうとした藪の中に咲いてるはづだが・・蕾も全く見えない。 そういえば籔が以前より空いてるなあ・・と掻き分けてみたら驚いた。 籔のあちこちに掘り返した土の跡があるではないか!
悔しいやら情けないやら・・・悄然と家路に着いたのであった。

家に帰って庭を眺めていた。 花の終わった庭のアカヤシオの若葉に陽が射している。
この栃木の山の植木屋さんで買った樹も、元は山に生えていたものかもしれない・・と、ふと思って考え込んでしまった。

人は花を愛する動物である。 そこにビジネスチャンスがあるのは当然なのだ。 これまで訪れたカナダ、オーストラリア、アフリカ、チベット等、どの国も、豊かな自然を驚くほど大切に守りながらも野生の花を輸出している。 輸入国は日本がトップ、日本で見れぬものはない。
如何に自然を損なわずに人々を楽しませるかが大切なのだと思ふのだが・・・。

2005年5月16日月曜日

久しぶりの九十九里浜

朝から久しぶりに五月晴れになった。 澄み切った青い空を見ただけで気持ちまで晴れ晴れとしてくる。
そんな空を眺めていたらふと海を見たくなって、 久しぶりに九十九里へ行ってみることにした。 この1年、好きな釣ともご無沙汰してるし・・・。
家から40分のドライブで九十九里へ到着。 広大な5月の太平洋はなんと爽やかなことか!
シーズン前の浜は人影もまばら。 浜辺に座って吹く海風が造った自然の造形を楽しむことが出来るのもこの時期までだろう。









細かい砂を払って立ち上がり、砂浜をしばらく歩いてみた。
 砂山のあちこちに初夏の陽射しを受けて咲くハマヒルガオが、心地良い浜風に細かく揺れていた。





近くにハマナシの自生地があることを思い出し行ってみることにした。 ハマナシの自生地の南限は茨城海岸とされていたのだが、ここはその後見つかった南限の地。
初めてここを訪れた時より花の数が増えているように思えてちょっと嬉しい気分であった。
ハマナシの花は今丁度見頃のようだ。 他の雑草に負けぬようにこれからも頑張って咲いて欲しいものだ。

2005年5月15日日曜日

初夏の佐倉城址公園

このところ薄ら寒い曇がちの天気が続いている。 5月晴れの心地良い季節を待ち望んでいるというのに今年はどうなってるんだろう・・・。
今日の午後になって幾分日が射してきたので、そろそろセンダンの花が咲き出してないだろうか・・・、 スダジイの巨木があのテイカカヅラのプロペラのような花に覆われていないだろうか・・・等と気になって急いで佐倉城址の森に行ってみた。

ところがなんとそれらの花は未だ陰も形も見当たらなかった。 やっぱり今年は開花が遅いようだ。

見上げたスダジイの巨木はちょうど今、樹冠をこんもりと覆うように付いた花穂が雲間から差し込む陽に輝いていた。
この姥が池の方に降りてみると、 周囲を新緑の森に囲まれた静かな池には白い睡蓮が数輪咲いていた。 池の辺にキショウブカキツバタも咲いている。
菖蒲田の右手の森を見上げると、そこに花を付けたミズキの大きな樹が目に入った。
未だ他の里山では花を付けてないのが多いのだが、ここの樹は見事に咲いている。 どういう加減で早く咲くのや遅いのがあるのか不思議である。 種類が違うのかもしれないなあ・・と首をひねってしまう。

菖蒲田の菖蒲は未だ充分育っていない。 花が咲くのは未だ大分先のようだ。 それでもキショウブだけは日を受けて輝いていた。




森の縁の日陰に何やら白い花を付けた草が茂っていろ。

行ってみるとそれはオドリコソウの群落であった。 そういえばここは毎年この花で埋めつくされることを思い出した。 周囲の雑草は綺麗に刈り取られているが、この草は残されているのが嬉しい。

2005年5月12日木曜日

里山にサワフタギが咲き出した

先日里山で出会ったサワフタギの蕾は、もうそろそろ咲き出したかもしれないなあ・・と気になっていた。 このところ気温が低い日が続いているので未だかもしれないがともかく様子を見に行くことにした。
近くの里山は未だカマツカの花が真っ盛り。 気温低下で季節は足踏みしているようだった。
サワフタギの蕾があったところに行ってみると、ようやく長い蘂を一杯に広げて可愛い花が咲き出したところだった。 この花が咲き出すと、初夏の里山はなかなか華やかな雰囲気になって良いもんだと思ふ。
田植が終って水が一杯に張られた近くの田圃からは、賑やかな蛙の声が響いていた。

2005年5月11日水曜日

庭のオダマキ

昔山登りをしていた頃出会ったミヤマオダマキの清楚な美しさにあこがれて、二十数年前に友人からもらった紫のオダマキが毎年花を咲かせるのが楽しみだった。 一時期株が増えて喜んでいたのだが、このところ次第に姿を消して今年は全く姿が見えなくなってしまった。
それに代わって西洋種の丈の大きなオダマキが勢力を伸ばし、庭のあちこちでさくようになってしまった。 これはこれで花は綺麗なのだが・・・、あの優しい雰囲気が無いのがちょっと寂しい。
今日ふと窓の外に置いてある鉢棚を見たら、あの懐かしい青紫のオダマキが咲いていたのだ!  一体どうしてここにあるのかと聞いてみたら、家内の花友達がくれたのだという。
やっぱりこの色のオダマキがなんと言っても一番好きである。 そういえば礼文島でもこの色の花が咲いていたことを思い出した。





終りかけてた庭の花には既に実をつけ始めたものもある。
群れ咲くホウチャクソウの一部は既に花びらを落しはじめ、その跡に蘂を付けたままの青い実が付いていた。

2005年5月10日火曜日

水温む印旛沼干拓田

町の外れに、普段あまり訪れる人も無い東屋のある小高い丘の上の展望台がある。 昔、明治天皇がこの地を行幸された記念碑が建つ頂上から、連休も終ってすっかり水が張られた印旛沼干拓田を眺めてみようと、久しぶりにここに登ってみた。
北を望むと、中央水路の彼方、7km先に甚兵衛大橋が確認できた。 その右には甚兵衛を祭る水神の森も見える。 良く見ると背後にうっすらと筑波山が見えているのには驚いた。 この時期としては珍しいからだ。
手前の青い屋根は京成酒々井駅の屋根である。
西北西の方向に目をやると、遙か彼方に西印旛沼が見えていた。 今日は比較的空気が澄んでいて田植の終った田圃を渡る五月の風が心地良かった。

2005年5月9日月曜日

京成バラ園へ

掲示板に投稿していただいた方からハンカチノキの花の写真を頂いた。 そういえばこの花の実物は見たことが無い。
 この日この花が咲いていたという京成バラ園を訪れてみた。 そろそろバラも咲きだしたんじゃないかなあ・・と思いながら入園。
真っ先に、はじめて見るハンカチノキの花が咲いてる場所に行ってみた。

未だなんかの記念に植えたばかりの中国南西部原産というこの樹は小さかったが、真っ白な花がまるでにハンカチを振ってるように咲いていた。



バラの花はどうかなあ・・・と見渡してみたが、未だあの華やかな花の色は目に入らなかった。 園内を散策する人の数もまばら。 そういえばバラの季節はこんなに静かなわけが無いなあと納得。

それでも早く咲き始めた花に所々で出会うことが出来た。
意外にポツリポツリと咲いてる姿も趣があって良いもんだ。
アーチにも一際鮮やかなバラが咲いていた。 なかなか情熱的な花である。
原種に近いような白いバラが咲いていた。 どちらかというとこんな花が好きである。
一番奥の池に行って見ると、キショウブが今盛りと咲き誇っていた。 まとまって咲いているとさすがに見事でしばし見惚れてしまった。

2005年5月7日土曜日

庭の花

我が家の狭い庭はチゴユリの花も終わり、大きく育ったアマドコロホウチャクソウが花をぶら下げている。 出初めは可愛かったフタリシズカの芽も、既に30cmくらいに育ってあまり「シズカ」な雰囲気では無くなった。 「フタリ」というのに花の穂が4本も延びてきてるのもちょっといただけない。

そんな籔の様な状態になってきた庭の片隅で、オドリコソウの花が満開になっていた。大柄な雑草ではあるが、これだけはなかなか華やかで眺めるのが楽しい。








他の植物が葉を大きく広げ始めた中で、ニリンソウも背伸びをして未だけなげに咲いている。

他の小さな草花を覆ひ隠すように密生したスズランの葉蔭に花が付いていた。 葉が邪魔でカメラに納めるのに一苦労。
玄関前のタツナミソウもちらほら咲き出していた。 
この花の色がことのほか好きなのだが、上から見ると花の色が目立たないこともあって普段花が咲き揃うまでなかなか気が付かない。